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2008年3月31日 (月)

SとM

 朝、小倉さんが挨拶してる辺りでようやく横になったため起きたらもう昼過ぎ。もたもたしてたらすぐ夕方。とりあえず軽く食事してから仕事。

 夜中、鹿島茂『SとM』読了。いわゆるプレイとしてのSMを体験したいという欲求はまったくないのだが、欲求欲望とは関係なく変態性愛というモノについて文化的な興味はあるので入門書的な意味で読めました。とりあえず、現代日本で一般的にSと認識される粗暴な支配欲丸出しなだけの人って、本書を読んでしまうと正しい意味でのSではないどころか侮蔑の対象ですらあるように感じられます。でもそういう人間の方がおそらく多い上に大手を振って暮らしており、平和に幸せにSMをたしなむ正しい意味でのSの人の方が世間的には後ろ指さされてるであろう現実というのは大変に不幸なことだと思います。ちなみに俺は精神的にはライトなMのつもりなのですが、以前、ドSな先輩に「お前はドSだ」と言われたことがある。が、本書を読んだ結果、やっぱり俺はどっちかというとMだと思います。プレイ的な意味ではなくてあくまで精神的な意味で。もちろん先輩に言われた「ドS」としての要素も俺の中にあるという自覚もなくはないのですが、しかしそれは本書において侮蔑的な意味で語られている粗暴なモノであるような気がする。少なくとも俺の中のドS要素には、正しい意味でのSに必須である「サービスのS」という要素がほとんど含まれてないと思います。ということで、本書を読みながら自分がSなのかMなのかを考えていたら、悲しいことに自分は正しい意味でのSMとは異なる身勝手なSであり身勝手なMであるという結論に到達してしまったのでした。まあMは正しい意味でも身勝手なようなので、俺はMとしてはそこそこ正しいのかもしれないが。なお、どういう部分で自分にSやらMやらの要素を感じているのかについての具体的なエピソードは披露いたしません。友人知人のみなさんは勝手に推測するように。ところで支配欲ばっかりで相手の気持ちを慮らない「S」は本書においては正しいSではないわけだが、一般的にどちらもが「S」という同じ言葉で語られることがある種の不幸を呼び起こしているのではないかと思うのですね。なので支配欲タイプの「S」には別の呼称を与えるべきではないかと思うんだけど(そうしないと今後も粗暴なだけの人間が「S」と呼ばれ続けて平和に幸せにSMをたしなむ人たちが迷惑し続けちゃう)、本書にそうした話が全然出て来ないのは不満です。まあ単なる男根主義野郎とかマッチョ思想野郎とかでいいような気もするが。この場合、主義や思想というより制御できない身勝手な欲望だけど。あと、プレイとしてのSMを体験したいという欲求は俺にはないながら、そうしたプレイをたしなむ人たちの快楽欲求はそれなりに理解できると思っているのですが、本書に出てくる変態趣味で一つ、以前から理解できないものがある。それはアナルセックスです。本書ではアナルセックスが歴史的な成立過程から語られていて、そのような仕方ない事情、あるいはある種の反抗精神からアナルセックスを選択するというのは理解できるのですが、現代日本ではこうした意味でアナルセックスを選択するような状況は基本的にないわけです。にもかかわらず、例えばアダルトビデオでもアナルセックスを題材にしたものが非常に多い。つまりは仕方なくアナルセックスを選択するのではなく、肉体的欲求からアナルセックスをしている状況が存在していると。で、俺はこれが理解できない。別に同性愛やらスカトロジーやらその他諸々の倒錯変態性愛もしてみたいとは思わないけど、しかしそれを好む人がいるのはなんとなくわからんでもないつもりではあるのだが、でもアナルセックスはわからない。単にこうした事柄に対して俺が勉強不足であるだけで、もうちょっと詳しくなることでそれを好む人たちの趣味嗜好を理解できるようになるのかもしれませんが。『お尻とその穴の文化史』とか読むことでわかるでしょうか。いやでもこの本だとやっぱり歴史的意味合いが中心だったりしそうよね。むしろアナルセックスをネタにしたポルノの方がアナルセックスに対する肉体的快楽欲求がストレートに書かれてるのかもしれない。いやでもそうしたモノは好んで当然という前提で書かれてて、俺が疑問に思う「なぜそれを好むのか」なんてことはわざわざ書かれてない可能性もあるか。うーむ。別にアナルセックスをしたいという欲求はないのでそこんところを理解する必要はないんだけど(だいたいアナルセックスなんかしたらうんこついちゃうじゃないのよ)、自分の中にない価値観を理解するのも見聞を広めるという意味でとても大切なことよね。なんてことを考えてるうちにもう四月。
お尻とその穴の文化史

11:59 午後 日記, 活字 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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