谷岡雅樹『Vシネマ魂 二千本のどしゃぶりをいつくしみ・・・』
1999年四谷ラウンド。
趣味はと聞かれると昔から映画鑑賞ですと答えているのだが、最近はほとんど映画を観ていない。まあ最近観てないことは今回あんまり関係なくて、そもそもプログラムピクチャーをほとんど観ていない。いわゆる邦画5社が日本映画黄金期にほとんど週替わりでばんばか作って公開していたあたりの映画ね。で、しかしそういった黄金期は70年代に入ったあたりからどんどん斜陽になっていき、プログラムピクチャーはほぼ死滅したといっていいでしょう。が、80年代に入ってビデオが普及しレンタルビデオ店が増加すると、そのための作品が作られるようになってくる。ビデオリリース用に製作された新時代のプログラムピクチャー、いわゆるVシネマである。
今ではレンタルビデオ店の竹内力コーナーと哀川翔コーナーへ行けばその周辺の大半はVシネマで埋め尽くされているといっていいと思う。そしてプロ
グラムピクチャーをほとんど観てない俺は、当然ながらVシネマはもっと観ていない。自分としては分け隔てなく映画が好きなつもりだったのだが、実際には全
然そんなことなくて思いっきり映画に上下関係を持たせて鑑賞していたのであった。上下関係といっても出来のことではなくて、作品の作られる環境とかそうい
うところね。つまりはプログラムピクチャーやVシネマといったものをジャンル丸ごと見下していた部分があったのだと思います。そこにどんな傑作が埋もれて
いるのかわからないのに、ジャンルごとに蓋をしてしまっていた。アニメは子供の見るもんだとして全部ひっくるめて見ないのと同じ愚行です。というようなこ
とに気付いた頃に本書が書店に並んでいた。こちらとしてはあまりに膨れあがったVシネマをどこから観ていけばいいのやらわからないし、やっぱり大半はつま
らないのではないかという偏見は消えてないので、ガイドブック的なものとして本書を買い求めてみました。がしかし、ぱらぱらっと見るに、この本は単なるガ
イドブックではなく、もっと思想的なものやレンタルビデオに深く関わってるらしい書き手本人の店と客への思い入れが強く出ていて、Vシネマを見るためのガ
イドブックとしてはやや取っつきにくい印象。でもってよくよく見てみるとどうやら本書の文章の大半は『映画芸術』に掲載されたものらしい。ならばそのよう
なアジテーション的な文体も納得。なのできっと読み物としては面白いだろうと思いつつ(俺は『映画芸術』は結構好き)、Vシネマへの興味をかきたてる目的
で買ったのとはちょっと違って、未だ読んでないままなのであった。そしてプログラムピクチャーやVシネマ自体も相変わらずそんなに観てないままなのであっ
た。観ます。これからいろいろ。本書も読みます。ところでVシネマってやっぱりヤクザものが主流だと思うんだけど(あくまで印象)、ヤクザって極めて右翼
的立場にありながら、70年代の東映ヤクザ映画の頃から左翼的な部分でも随分人気があるというこの複雑なところを誰かわかりやすく教えて下さい。たくさん
観ればわかるのかもしれないんだが。
04:49 午後 未読 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
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